「行動分析学」とは、行動を実験的に分析する科学、つまり、行動の直後と直前の結果を科学的に分析し、そこで発見された法則を体系化した学問です。
人が行動するのは意志の有無ではなく、行動の直後に起こる出来事に影響されるというのがこの学問の基本的な考え方で、当研修プログラムのバックボーンになっています。
私たちは、行動の後に起こる何らかの変化によって、次にどのような行動をとるかどうかを決めています。
たとえば、洗い物をするときにゴム手袋をしたら手荒れがなくなったという経験があれば、洗い物をするときにはゴム手袋を付けようと思うでしょうし、自分のつくったゴハンの写真をSNSに投稿し“いいね”がたくさんもらえたら、またゴハンをつくって写真を投稿したいと思うでしょう。
あるいは、あまり他人に知られたくない悩みごとを友達に相談した際、1週間後には周りの人がみんな知っていた、というようなことがあったら、そのような悩みを人に打ち明けることに躊躇するようになるでしょう。
行動の前には必ず動機づけの条件があります。それは「意識」といったものではなく、「行動後の満足」と関連します。そして、行動と行動直後の変化の関係性は、以下のように4つに分類されます。
1.行動した直後に望ましい結果を得られると、その行動は増える。
2.行動した直後に嫌な結果を得てしまうと、その行動は減る。
3.行動した直後に不快なことが取り除かれると、その行動は増える。
4.行動した直後に楽しみが奪われると、その行動は減る。
このように、[ 行動 ] → [ 行動の直後 ] → [ 次の行動 ] という流れの中で、行動の直後に行動の原因を置いたものが行動分析学であり、能力不足や意思の強さ、根性といった「個人要因」ではなく、“褒められた”、“元気づけられた”などの「環境要因」を最も重視します。
この仕組みを理解すると、「行動のあとに起きることが将来の行動を決定する」という解釈ができ、この原理を応用して、行動によっておこる結果を操作することで好ましい行動を増やしたり、逆に不適切な行動を減らしたり、ということが可能になります。
また、上手くいかないことがあっても試行錯誤的に変化を加えることで、あたかも投資した資金が複利で増えるように、改善の繰り返しが効果を大きくし、組織として望む行動へ変容させることが期待できます。
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